海外安全対策情報
(平成29年度第2四半期)
在エチオピア日本国大使館
- 社会・治安情勢
10月現在、オロミア州における反政府運動により数十名の死傷者が発生している模様である等、依然として邦人が巻き込まれる可能性がある事案が発生している。
第2四半期の情勢は以下のとおり。
(1)民族間対立を原因とする反政府運動の激化により数百名の死者が出たため、国家非常事態宣言が2016年10月に発布されたが、当地政府は2017年8月4日を以てこれを解除した。
解除後も散発的な爆弾事件の発生や、政府の新たな課税制度への抗議活動が行われるなど、一部、反政府運動の継続が見られており、政府はこれらに対して強い警戒レベルを維持している。
ア 7月中旬、オロミア州アンボ市において、政府の新たな課税制度を不服として、店舗閉鎖によるストライキの他、同市政府車両が破壊される等の抗議活動が発生し、同ストライキは周辺の町や一部アディスアベバ市内にも広がったものの、暴動などは報告されなかった。
イ 9月以降、オロミア州東部、南部及びソマリ州を中心に激しい民族間衝突が発生し、多数の死傷者や避難者を出した。
ウ 10月に入り、オロミア州各地で反政府運動が発生し、数十名の死傷者が発生した模様。
(2)当地では、アル・シャバーブが2013年10月にアディスアベバ市内で爆弾テロを計画(未遂)するなどしており、依然としてテロ発生の可能性がある。
2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
当地においては、日本人を含む外国人を狙った強盗や窃盗事件が発生しており、第2四半期においても類似する被害が報告された。主な手口は次のとおり。
(1)強盗事件
アディスアベバ市内において、邦人に対するものも含め、強盗事件が発生している。早朝及び夜間に徒歩で移動している際に、背後から首をしめられ、抵抗できない状態に追いやられ、携帯電話や財布を強取される手口が認められる。
(2)窃盗事件
アディスアベバ市内において、邦人に対するものも含め、スリが増加している。犯行手口の一例としては、複数名が歩行者に近づき、雑誌を売る素振りや、服に唾や液体をかける、腕をつかむ等して一人が気を引いている間に、他の者が歩行者のポケットから携帯電話機や財布を窃取する手口が認められる。犯人は一見して少年風など、若年層が多いと報告されている。
(3)ぼったくり事件
アディスアベバ市内において、邦人に対するものも含め、ぼったくり被害が発生している。旅行者が滞在ホテル周辺を徒歩で移動していると、エチオピア人が「自分はこのホテルの関係者だが、いい飲食店を教えようか。」と近づき、「ホテルの関係者」と言われて安心し、勧められた飲食店に入って注文すると、高額の支払いを請求される手口が認められる。
3.殺人・強盗等凶悪犯罪の事例
(1)殺人
邦人被害の届け出はない。
(2)強盗等
邦人被害の届け出はない。
4.テロ・爆弾事件発生状況
(1)8月6日
バハルダール市中心部における爆弾事件
(2)8月12日
バハルダール市住宅街における爆弾事件
(3)8月24日
ジンマ市中心部における爆弾事件
(1)~(3)において、邦人被害は発生していない。
5.誘拐・脅迫事件発生状況
邦人被害の届出はない。
6.自然災害発生の事例
国内において大きな災害は発生していない。
7.対日感情
対日感情に係わる問題は認知していない。
8.日本企業の安全に係わる諸問題
現在、日本人を標的としたテロ行為は確認されていないが、市民の反政府運動や民族間衝突が国内各地で断続的に発生する可能性があり、これらに巻き込まれた場合、投石による車両破壊や、身体への受傷事故が懸念される。 |