定期報告:平成25年度第1四半期
1.社会・治安情勢
(1)当国政府は当地におけるテロ対策として、主要施設等の警備強化を継続している。
一部ムスリムが政府の宗教への干渉に対し不満を表し、昨年10月に行われたイスラム高等法院委員の選挙に関し、地方では、警察とこれに反対する一部ムスリムとの間で衝突が見られた。また、政府機関の写真を撮影していた旅行者等が、警察に一時拘束される事案も散見されている。
(2)2013年2月18日エチオピア反政府組織「オガデン民族解放戦線(ONLF)」は、エチオピア東部での石油探査を中止するように警告を発出した。ONLFは2007年、中国が運営する、油田に対する襲撃を実行したとしている。
2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
当地においては、日本人を含む外国人を狙った強盗や窃盗・詐欺事件が発生している。主な手口は次のとおり。
(1)窃盗事件
バザー等、人が混み合う場所において、邦人女性が所持している手提げカバンの中の携帯電話を窃取する。特に外交団等の富裕層を狙った盗難事件が、多発している。
また、サッカーの試合や有名歌手のコンサート等の開催時には、観戦客を狙って携帯電話や財布が盗難に遭うケースが散見される。
(2)詐欺事件
当地エチオピアで伝統的な、コーヒー・セレモニーを振る舞うという手口で自宅へ招き入れ、その後法外な料金を請求される。また、金銭支払に関して、加害者と被害者が口論になっているところに、別の第三者(エチオピア人)が仲裁に入り、被害者を安心させて別の場所(バーやレストラン)へ連れて行き、その後法外な料金を請求する、という新たな組織的手口も確認されている。
また、旅行者に対して「目的地まで案内すると」言って、言葉巧みに近づき、その後、料金を請求される手口も報告されている。
(3)強盗事件
大通りから、自宅までの間の、外灯が無い細い道において首締め強盗被害が頻繁に発生している。薄暗くなってからの徒歩での移動を控え、車で移動すること、及び自宅から移動ルートを毎日変更するなどして、対応する必要がある。
3.殺人・強盗等凶悪犯罪の事例
(1)殺人
邦人被害の事件は、認知していない。
(2)強盗
3月に2件、在留邦人1名、旅行者1名が、いずれも、自宅やホテル近くの、暗い路地にて首締め強盗にあった。また、3月中旬に、ボレテレ地区を徒歩にて移動していた外国人が2人組のエチオピア人に襲撃され、外国人が気絶するまで暴行された挙げ句、金品を強奪された。また、首締め強盗被害時にそのまま死亡するケースも発生している。
(3)強姦
邦人被害の事件は、認知していない。
4.テロ・爆弾事件発生状況
本年3月下旬、ソマリアの反政府組織 アルシャバーブが、エチオピアのソマリアへの軍事進攻に対する報復として、ドロアド難民キャンプに於いて、テロ・爆弾事件を計画していたが、エチオピア連邦警察によって、ケニアとの国境の町モヤレにて逮捕され、未遂に終わった。
5.誘拐・脅迫事件発生状況
邦人被害の事件は、認知していない。
本年3月下旬、ソマリアの反政府組織 アルシャバーブが、エチオピアのソマリアへの軍事進攻に対する報復として、モヤレ近郊に於いて、国連職員をソマリアに誘拐し、身の代金請求する誘拐を計画していたが、エチオピア連邦警察によって、ケニアとの国境の町モヤレにて逮捕され、未遂に終わった。
6.自然災害発生の事例
国内において大きな災害は、発生していない。
7.対日感情
対日感情については、問題ない。
注意:エチオピア人の対日感情に問題は無いが、エチオピア人の中には中国に対して反感を懐く者もあり、日本人が中国人と間違われ、嫌がらせを受ける可能性は排除出来ない。
8.日本企業の安全に係わる諸問題
特になし。
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